ノブユキ番外編

かつては1週間の個人的収穫を振り返るブログでした。現在は不定期で更新中。

可能性の宝庫

東京パラリンピック閉幕の前日、週刊女性PRIMEが「こびとプロレス」を取材した記事を掲載しました。

「ミゼットプロレス」とも呼ばれるこのスポーツは、成長にハンデを持った身長の低いレスラーがリングに上がって戦います。1980年代にテレビ番組でも熱戦を繰り広げたところ「笑いものにするな」という視聴者の声がきっかけで徐々に活躍の場を失ったそうです。ハンデを持っていない人たちの小さな親切が、当事者にとって大きなお世話になってしまった、とてもやるせない話だと思いました。

 

2021年8月24日から9月5日まで開催された東京パラリンピックは、自国開催ということもあってオリンピック同様に連日テレビに釘付けとなりました。それは、パラアスリートが持つハンデを感じさせないプレーに圧倒されたからです。

 

車いすバスケットボールの鳥海連志選手は生まれつき両手足にハンデがあり、3歳の頃に両下肢を切断しています。それでもコートを駆け抜ける姿や華麗なシュートはそういったハンデを感じさせません。「車いすバスケ界の流川楓」と呼ばれるほどのプレーに魅了されました。

 

自転車ロードレースの杉浦佳子選手は5年前のレース中の事故で脳機能にハンデを持つようになりましたが、今大会では初出場ながら2つの金メダルを獲得。50歳での金メダルは日本人選手の最年長記録です。杉浦選手が競技後のインタビューで語った「最年少記録は二度と作れないけど、最年長記録はまた作れますよね」は名言です。

 

どんなにハンデを抱えても、どんなに年齢が高くても活躍できるパラリンピック及びパラスポーツは「可能性の宝庫」だと思いました。同時に、この可能性を潰さないために、私のようなハンデを持っていない者が特異な目で見ることなく、素直にプレーを称えることが大事だと思います。これは実生活でも同じことです。次のパリ大会が開かれる3年後には、ハンデのある人たちがより暮らしやすい世の中になってほしいです。