ノブユキ番外編

かつては1週間の個人的収穫を振り返るブログでした。現在は不定期で更新中。

ANN55時間ラジオ 個人的振り返り

1967年10月から放送されている深夜ラジオの代名詞「オールナイトニッポン」(ANN)の放送開始55周年を記念して、ニッポン放送が2023年2月17日夕方から19日深夜までの55時間におよぶ特別番組「オールナイトニッポン55時間スペシャル」を放送。歴代パーソナリティによる豪華なリレーは、いつものブログではとてもまとめきれないのでこの記事で振り返りたいと思います。それでもほんの一部です。

 

1日目(2月17日)

17:30 上柳昌彦(事前特番)

55時間SP直前の30分はMr.ニッポン放送ともいうべきパーソナリティによるプレ番組。すべての番組のラインナップや、本社5階で行われた決起集会の模様を放送。エンディングでは裏送りの番組と日曜早朝のANN担当する笑福亭鶴光師匠も登場しました。

 

18:00 ナインティナイン

ANN現役歴代最長パーソナリティがトップバッターとして登場。ANNの55年を振り返る仰々しいナレーション、そしてナイナイ2人によるTOKIOの「宙船」生歌唱で幕明け。岡村隆史ANNを含めた30年近い歴史がものを言う鉄板エピソードの数々、そして悪い人の夢のSPバージョンの面白さは安心感を覚えます。フジテレビ「Live News イット!」での中継を終えて時報と共に「7時!」と叫ぶつもりが「2時!」と間違えてしまう岡村さんの緊張ぶりに思わず笑ってしまいました。エンディングでは直後のANN0SPのパーソナリティ陣が登場しました。

 

20:00 オールナイトニッポン0(ZERO)SP

現在でも"2部"の通称で知られるANN0の各曜日パーソナリティがイマジンスタジオに集結。フワちゃん、ぺこぱ、佐久間宣行さん、マヂカルラブリー三四郎が番組で起きたハプニングや深夜3時~5時の仕事ならではの苦悩などで盛り上がりました。ほぼ芸人の大所帯のワチャワチャ感がたまりません。各番組のネタジングルのコラボはお下劣で最低でした(笑)

 

22:00 松任谷由実

ゲストに黒柳徹子さんが登場。長年親交のある2人のトークは知的で朗らかでした。ユーミンさんの「徹子の部屋の最終回に呼んでほしい」という発言は「最終回に呼ばれないぐらい長続きしてほしい」の意味だったのは初耳です。他にも「ザ・ベストテン」や「世界ふしぎ発見!」にまつわるエピソードも。

 

24:00 EXIT

ゲストはCreepy Nutsテレビ朝日の深夜番組「イグナッツ!!」以来の共演でしたが、番組にまつわるエピソードはネガティブなものばかりでほぼテレ朝の悪口でした(笑) 2組の相性自体はとても良いのでまた再会してほしいです。Creepyが東京03と武道館でコントライブをやる話の流れでEXITがキングオブコントへの挑戦を表明したのは驚きです。

 

25:00 霜降り明星

25:25から約10分間はフジテレビとの同時生放送を実施。名物コーナー「霜降り交友録」がテレビでも流れましたが、ネタはいつもの深夜ラジオテイストで面白かったです。今回も計1万通超えのネタ職人頂上決戦「霜降り甲子園」では、擬音の文面だけでオムライスを作る音とツッコませるネタがラジオならではの面白さがありました。

 

2日目(2月18日)

9:00 山下達郎と上柳昌彦

達郎さんがニッポン放送で唯一知っている現役パーソナリティの上柳さんと1970年代の思い出を中心に最高のトーク、そして「RIDE ON TIME」から「希望という名の光」まで流れる最高の選曲。サブスクに対する達郎さんの考え方も改めて聴くことができました。達郎さんのレコード保有枚数は、タワーレコード渋谷店の3倍だそうです。

 

13:00  ウッチャンナンチャン

近年はテレビでも滅多に揃わないベテランコンビが久々のラジオ。この2人が揃うと笑い話に溢れて楽しさが伝わってきます。出川哲朗さんとバカリズムさんも登場し、個人プレーが多いマセキ芸人でこれだけの面子が揃うは貴重です。後半では出川さんの還暦を祝う会の計画で、主役であるはずの出川さんが言いくるめられてくさまに笑ってしまいました。

 

15:00 タモリ

ANNの歴史を語る上で欠かせないレジェンドパーソナリティの一人が降臨。ゲストに星野源さんを迎え、2人の共通項であるジャズを中心に音楽談義に花を咲かせました。他にもアジフライが美味しいという話や日常でのひっかかりなど。16時台になると「なぜか埼玉」やオマリーの「六甲おろし」といった珍曲もオンエアされました。タモリさんが31歳の頃に披露した「オールナイトニッポン・ブルース」がかっこよすぎて痺れましたが、当の本人は曲が流れた後「バカじゃないの」と一蹴するところもタモリさんらしいと思いました。

 

17:00 秋元康と佐久間宣行

日本のエンタメ業界を支え続ける師弟関係に近いクリエイターコンビが登場。秋元さんがフジテレビで春から復活する「オールナイトフジ」のMCに佐久間さんが就任することをバラす大フライングをかましたり、番組の途中で黒木瞳さんが筑前煮と焼うどんを持参して乱入したり、55時間で最もヒヤヒヤする時間帯でした。とんねるずからAKB48まで、秋元さんが手掛けてきたエンタメにまつわるエピソードは圧巻です。

 

25:00 オードリー

25:15からフジテレビとの同時生放送を実施。昨夜の霜降りANNとは違ってオープニングトークの途中から始まりました。話の流れで春日俊彰さんの妻・クミさんの生電話も。若林正恭さんに色々とツッコまれた後、最後は夫婦同士の「愛してるよ」で2夜連続のメディアミックスを終えました。

 

3日目(2月19日)

11:00 伊集院光

ついにラジオの覇王がANNに帰還。当時は深夜3時~5時の"2部"を担当していたので、タイトルコールからの「ビタースイートサンバ」は初となります。ゲストに石川よしひろさん、加藤いづみさん、渡瀬マキさんらを迎え、今とは違ってアングラでゆるい空気感にあふれていた当時の2部の思い出を語り合っていました。伊集院さんのラジオが生み出した架空のアイドル・芳賀ゆいの人気に嫉妬していたエピソードも。

 

13:00 くりぃむしちゅー

2000年代後半のANNを代表する芸人ラジオが55時間SPでも復活。冒頭から"有ちゃん"という謎のキャラクター、なかなかメールアドレスが読み上げられない募集ジングル、名物コーナー「たとえてガッテン」など、午後1時から午前1時と全く変わらないスタイルで面白かったです。過去音源のサブスクサービス「オールナイトニッポンJAM」の宣伝では敢えて違法アップロードを聴いてるファンの存在に言及していました。

 

15:00 ネプチューン土田晃之

ラジオリスナーの間で"黒歴史"として語り継がれている「LF+R」時代のANNを担当したパーソナリティが登場。ボキャブラ天国銭形金太郎、ジョブチューンで30年にわたり仕事を共にしている2組の息ぴったりのトークと笑いに溢れていました。日曜の昼下がりにちょうどいいラジオかもしれません。

 

17:00 ゆずとCreepy Nuts

垣花正さんが店長を務める変わり鍋の料理店「くりとゆず」といった設定がありましたが、2組の生い立ちや楽曲作り、ANNの降板を決意したことの葛藤といった深いトーク、そして2組による「夏色」のセッションは激アツで料理店設定が嘘のよう。最後は垣花さんが思わず委縮して2組に割って入れないほどでした。この2組の共演がまたどこかで実現しますように…

 

19:00 明石家さんま

近年はスペシャルウィークのリクエスト特番に出演しているさんまさんが42年ぶりのANN。ゲストの笑福亭鶴瓶さんとのノンストップトークは抜群の面白さで、さんまさんのまくし立てに鶴瓶師匠が思わず絶叫。タモリさんに関するのエピソードも強烈でした。鶴瓶師匠が帰った後は若手時代と桑田佳祐さんとの思い出。「夢は大きい方が良い、見失わないから」は名言です。

 

21:00 aikoと井口理

井口さんが担当したANN0以来3年ぶりの共演。お互いを「さとるん」「あいにゃこ」と呼び合うほど仲が良すぎて終始イチャイチャ…微笑ましすぎて悶えます。そして、3年前と同じく2人で「カブトムシ」を熱唱。55時間で最も多幸感に溢れた時間帯でした。ぜひともradikoで合法的に聴きましょう。

 

23:00 福山雅治荘口彰久(魂のラジオ)

55時間SPの大トリはサタデーSPで15年続いた「魂ラジ」の8年ぶり復活。当時のジングルやSEそのままに福山さんと荘口さんの名コンビ、リスナーへの生電話、福山さんの弾き語りコーナー「魂リク」など、リアルタイムで聴いていた中学時代がよみがえるエモさでした。かつて童貞のリスナー限定で開催されたLIVE企画「大童貞祭」に参加して今回電話出演した人たちはいずれも卒業して幸せを掴んでおり、8年という歳月の大きさを実感しました。

 

あとがき

自分が好きな深夜ラジオ枠のお祭りは何ものにも代え難い最高の時間でした。この55時間を通じて、ANNブランドの歴史と偉大さはもちろん、パーソナリティとリスナーの一体感、常に寄り添ってくれているような近さ、そして生きる希望を持たせてくれるラジオの特性を改めて実感しました。この特番に携わったすべてのパーソナリティ、スタッフ、協賛各社に感謝したいです。ANN草創期のキャッチフレーズのように、この先も新しい時代の夜を生み出し、フレッシュな夜をリードする存在であってほしいです。

 

オールナイトニッポン最高!